「貸原四畳半」
REGEIONAL DESIGN
可動建築
貸原四畳半について
別府の空き地に「貸はらっぱ」を作り、誰でも利用できる貸し出し形式の「ヤタイ」を設置した。ただ通り過ぎるだけの場所から、自由度が高く、いつも何かが行われている「たのしい空間」へと変え、エリアに賑わいを生み出し、まちに活気が波及していくようなエリアリノベーションへとつなげていくことを目的としている。
貸原四畳半を開設する場所「別府中央市場」とは
別府中央市場は昭和22年9月1日に満州からの引揚者たちによって開設されました。当初は114コマの店舗があり、1コマ四畳半ほどの2階建長屋が連なり、1階が店舗で2階が住居として使用されていました。昭和35年には大きな火事も発生しましたが、そこからも復活し、様々な時代を経て現在に至っています。店舗としては現在は多くが休眠空間となりましたが、創設当時からあるおでん屋「ふくや」はいまだ営業中です。また、この別府中央市場の路地空間の魅力に引き寄せられ、最近は新しいお店もできてきました。この別府中央市場を舞台にして、弊社は「貸原四畳半」を4ヶ月間試験運営しました。別府の空き地に「貸はらっぱ」を作り、誰でも利用できる貸し出し形式の「ヤタイ」を設置した。ただ通り過ぎるだけの場所から、自由度が高く、いつも何かが行われている「たのしい空間」へと変え、エリアに賑わいを生み出し、まちに活気が波及していくようなエリアリノベーションへとつなげていくことを目的としている。
小さな空き地からはじまる土地活用の構想
1.別府の空き地を整備しウッドデッキを敷く
2.「貸しはらっぱ」として空き地を貸し出す
3.さらにヤタイを設置し、貸スペースと貸ヤタイを運営する
4.プライベートな野外パーティーや、期間限定のポップアップショップなど、小商いの場所として空き地を再利用
5.周辺のエリアや街に少しずつ賑わいが生まれる
6.そのエリアから起業家が生まれるなどして、ヤタイから建築物へと変わる
7.新しい賑わいと人と人の交流が生まれる
実行編
1.空き地を整備する
2.ヤタイを製作する
ヤタイの外壁には日田の「高瀬文夫商店」の不良品となった「かまぼこ板」を譲り受け、重ねるように貼り付けた。ランダムに組み合わされたかまぼこ板がこけら葺きのようになり、ヤタイを使用していないときでも存在感が出るよう工夫した。また3方向が開閉し、天板はカウンターとしても使用できる。
▽ヤタイ製作風景
▽ヤタイ設置後
▽ヤタイ使用風景
4ヶ月の試用運営の間、由布市のリモージュファームさんが入居しファーマーズカフェを運営。期間中はご近所の方が野菜を買いに来るなど、地域に馴染んでいた。